これまでに延べ8000人の健康をサポート。アフターフォローとして行動変容まで見届ける羽賀嵩益氏にインタビューしました!
日本肥満予防健康協会です。今回お話を伺ったのは肥満予防健康管理士の認定講師として人材育成をする傍ら、東京世田谷区で健康サロン「トータルヘルスケアハーブ」を主宰している羽賀嵩益氏です。地域に根差して幅広い年代の方々に健康を指南しながらも、医療機関との連携により最先端の技術も積極的に取り入れるなど精力的に活動を展開してます。自身の健康に対する考え方やサロンでの取り組みなどをじっくりと聞いてみました。
現在の活動を教えてください
現在は肥満予防健康管理士の認定講師として人材育成をしています。協会の本部は奈良にありますが私は関東支部的な立ち位置で、関東で受講される方の受け皿になっていますね。東京以外からの受講も多いですよ。そして認定講師としての活動よりも前からになりますが「トータルヘルスケアハーブ」という健康サロンを20年やっておりまして、東京世田谷で2か所展開しています。名前の通りトータルな視点で健康を指南することが私たちのスタンスで、生活習慣や栄養(食生活)だけではなく遺伝子や腸内フローラなども調べ、様々なアプローチで“トータル”に人を健康に導いています。
私は美容と健康の業界入って20年になりますが、最初の数年は独学や経験で得た知識をベースにダイエットのサポートをしていました。後でもお話しますが何しろ自分が15㎏の減量を成功させているので、その時に身をもって知らされたことがたくさんあります。減量をきっかけに栄養学に興味を持ち始め、やがて肥満予防健康管理士の認定講師の資格も取得しました。間違った知識でダイエットをすると辛いだけなのですが、正しく行うと心身共に負担なく健康になれること。そして健康な体を持つと、毎日がこんなに楽しく生き生きとできること。これらを学びによって知ることができました。今は一人でも多くの人にこのことを伝えようと日々努めています。
美容と健康のサポートをお仕事にしようと思った経緯は?
今でこそこのような活動をしていますが、若い頃は不摂生極まりない生活をしていて体形もひどいものでした。暴飲暴食と寝不足が続き体重は今よりも15㎏~20kg多かったはずです。バブルの渦中だったので、時代の勢いもあってそんな生活にさほど疑問を持たずに過ごしていたのですが、ある時友人に誘われて人間ドッグに行くことになりました。そうしたら、やはり「このままじゃ、ヤバいよ」と医者に言われたのです。いわゆる脂肪肝がひどくて、このままでは肝硬変やがては肝臓がんになると警告されました。太っているということを軽視していたのですが、診断結果を見せられてさすがにリスクを実感しましたね。ちょうど家を建てたばかりだったので、死ぬわけにはいかないと思いダイエットを決意しました。
美容と健康のサポートをお仕事にしようと思った経緯は?
さて、ダイエットをしようと思っても知識がない。医者は診断結果について見解を述べることはできても、ダイエットの方法までは教えてくれない。そうなると自分でやるしかないですよね。素人なりに考えて「こんにゃくダイエット」をやってみましたが、これがまた辛くて辛くて…。虚脱感、イライラ、そして思考停止。一カ月が限界で、その後は激しくリバウンドですよ。もうどうにでもなれって感じですね。しかし、そんな時にたまたま知り合いになった元看護士の女性がいまして、彼女から栄養療法を薦められたのです。もうダイエットはこりごりだったのでしばらくは応じなかったのですが、根負けして渋々やってみることにしました。そうしたら、全然違うのです!無理をしないで正しく栄養を摂り入れながらのダイエットはちっとも辛くないのだと実感しました。
その時には再び10kg以上痩せることができて、その後もリバウンドなしです。痩せたことによって目覚めもよくなり体も楽になりました。体型が変わり、体調が劇的に改善されたことは驚くべき体験で、人に会うたびに「どうやって痩せたの?」と、とにかくたくさん聞かれました。そしてその時に「ああ、そうか、みんな痩せたいんだ。健康に興味があるんだ」と知り、これを伝えていくことに価値があるのではないかと思ったのです。
どのような指導や健康サポートをしていますか?
今の時代はインターネットの普及により情報過多なので、ダイエットをしようと思っても何を選んでいいのかわからないですよね。ダイエット方法も2万通りあると言われているくらいです。しかし自分に合った方法という観点で探すと、自ずと絞られてくるのではないでしょうか。日本肥満予防健康協会のダイエットはオーダーメイドダイエットなので、一人一人に合わせた方法を提案するものです。私は人にダイエットを薦めるにあたり、その人の生活習慣や食生活だけではなく、一歩踏み込んで遺伝や腸内環境にも注目しています。少しでも有益な正しい情報を提供できるように、私も毎日貪欲に勉強しています。
そしてもうひとつ。私は健康をサポートするにあたり継続的な付き合いを心がけています。というのもダイエットは一過性のものではなく、生活習慣の改善や意識を変えないことには理想の体型を維持することはできません。私は自分の経験からリバウンドの恐ろしさやモチベーションを維持することの難しさを知っています。行動変容こそ大事なのです。本気で人を健康に導きたいのであれば、その人がその後もちゃんと学んだことを実行しているか見届ける必要があるのではないでしょうか。
このような考えから、私のサロンを訪れる方にはその後のフォローまでしっかりとすることをお伝えし、合意の上でやらせてもらっています。みなさん体重や体脂肪率などを毎日ラインで私に送ってきますよ。気にされている、見られているという緊張感もいいのでしょうね。
日々の活動でどのような手ごたえを感じていますか?
今から20年以上も前の話になりますが、私はもともと輸入品の卸の仕事をやっていました。ブランドバッグを扱っていたのですがいわゆる並行輸入品を扱っていたので、取引相手の見極めに神経をすり減らしていました。騙すか騙されるかの世界なので、信じるより疑うことの方が多かったですね。でも、商売の本質ってそうじゃないはずなんです。
今の活動を始めてから実感することは、とにかく人から喜ばれるということ。カウンセリングに来られる方や生徒として来られる方には、こちらが持っている美容と健康の知識は惜しみなく与えているのですが、私はまず自分が納得し、理解してからかみ砕いて伝えているのでどうしても時間がかかりますね。丁寧すぎるくらい丁寧に教えるので、私に教わった生徒さんはお得だと思いますよ(笑)。
人が困っていることに対してこちらにできることがあって、相手に喜ばれ感謝される。こんなに嬉しいことはありません。今は商売の基本に立ち返った気がしています。
今後の展望は?
今、私が主宰している「トータルヘルスケアハーブ」は世田谷区に2か所あります。新宿や渋谷のような繁華街でなく、住宅地の中で地域に密着しながらやっているので、地元のちょっとしたサロンのようになっております。美しくなりたい方や健康になりたい方が訪れるわけですが、みなさんおしゃべりも大好きでここに来て交流を楽しんでいる様子ですね。
このコロナ禍で人と会うことやしゃべることが気軽にできなくなりましたが、実はこれらは健康と密接なことなのです。人と関わり、コミュニティーに属することによって慢性的な安心感が得られます。何かとストレスを感じやすい世の中ですが、地域の人に寄り添い、みんなの心の拠り所になることによって貢献できる部分は確実にあると思います。
私は「トータルヘルスケアハーブ」のような場所がもっともっと増えればいいと思っています。健康に長生きするという目標を共有しつつも、たわいのないことをしゃべりながらゆるりと繋がっていられるような拠点はこれからの時代に必要になってくるのではないでしょうか。